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その瞬間はいつも“巡りあわせ”
尽きせぬ奄美大島の魅力
――ご自身のブログ上で、奄美は撮るものがいっぱい!と、ありました。そんな奄美の魅力とは何ですか?
別府: 山があって、海があって、いつでも浜に降りられる。鹿児島も東京も海はありますけど、浜には降りられなかったりするじゃないですか。ふらっと降りられる、全部がシームレスなところ、ですか。行きたいと思ったら行ける。夕日がいいな、と思ったときに、その夕日に向かって行ける。住み慣れてるってのはあるんですけど、遮るものが、島には大きなものしかないんですよ、島影とか。ですから自分の直感に素直に写真が撮れる、あっと思ったときに苦労が少ない、というのは大きいですね。
自分の場合は珍しいものにはあまり惹かれないんです。日常の風景の方が好きなので、東京に来ても、観光でもない限りテーマパークにもあまり行かないですね。東京タワーのようによく知ってるものの方が見たいんです。よく見てるものを、もっと見たい。島なら、皆が通り過ぎるところをもっと見たい。時間を変えて見たい。そう考えると、島には撮る場所がまだまだ豊富にあって、自分は全然行ききれてないなと。
――毎日どこかへ撮りに行かれているのですか?
別府: 撮りたくない日は無理に撮らないですね。本当は撮りたいのに行けない日というのもあります。背中に陽を浴びて、行きたいな…って思ったり。カレンダーやチラシを作ったり、写真を印刷したり、仕事があるのは嬉しい事なんですけど、写真を撮りに行けませんから、そのバランスが難しいですよね。
自分は奄美大島の中を、旅をするように撮るんですけど、最近は出来ていないんですよ。夕日を見に行って夕日だけを撮るんじゃなくて、時間を過ごしていく過程の中でシャッターを切る。そういう時間を持ちたいと思っています。でも、出来ていないから苦ってわけじゃない。とにかく巡りあわせですから。これからもそうやって撮り続けていきたいですね。
――それは幸せな生き方だと思います。奄美ならではかもしれませんが…。でも自然が被写体だと特に、自分のイメージ通りのものを撮るのはなかなか難しいこともあるのでは?
別府: そうですね。自分が何がきれいと思ったのかを良く考えないと、ばしーんって撮れないですよね。構えたら一発で決まればいいんですけど。始めた頃は、これをどう撮れば皆に伝わるんだろうかって悩みました。どうしたら、この「うわっすげえ!」という思いを写真で伝えられるんだろうかって。
――別府さんはあまり人物の写真を撮られないですよね?
別府: 人、いないですから(笑)。奄美の魅力は人がいないことです、なーんて。奄美に旅する最大の魅力は、人がいないことじゃないかと思うくらい。でも、風景の一部として撮ることはありますよ。ここにある幾つかにも、人が写ってるものがありますし。
――確かに、人影が風景の一部になってますね。でもなぜ、人物だけというものは撮らないのでしょうか?
別府: うーん、その人が撮られるのが好きだったら撮ります。でも、撮られて嬉しいかわからないので、撮らないですね。話しかけて許可を得てから撮ればいいんですけど、僕はそれはまだ得意じゃないので、表情とかをアップで撮れるようになるのはまだ先の先の先の話でしょうね。たまに海岸で素敵なおばあちゃんに出会うこともありますし、もちろん撮りたいと思うこともありますよ。でも、話しかけたら普通に会話しちゃうので、写真のことなんか言えずに「じゃ、ばあちゃんまたね」と言って帰ることばかりですね。
――子どもの写真などはどうですか?子どもはあまり構えるということをしませんよね?
別府: 子どもの場合は、頼まれて撮ることならあります。頼まれる分には、全然構いませんよ。むしろ表情を撮ることは嫌いじゃないですし、どちらかというと楽しいです。だから子供に限らず「人物を撮っていい」と許可されてる場では、思う存分撮りますよ。でも、それはそれで、普段の日常の中で見ず知らずの人にレンズを向けることは、よっぽどのことがない限り無いでしょうね。将来どうなるかはわからないですけど。
――将来お子様が出来たとしたら、被写体にします?
別府: それはもちろん撮ります!むしろ、その為に新しいカメラを買いたいくらいですね(笑)。やっぱり記録していきたいと思いますから。親が撮る我が子の写真にかなうものはありませんよ。子どもの場合のシャッターチャンスは表情が全てですから。親はその表情を、誰よりも近くで見ていますからね。
――写真家・別府亮の撮る人物写真もまた、楽しみですね。本日はありがとうございました。
別府: ありがとうございました。
■プロフィール■
別府亮 (べっぷりょう)
奄美大島生まれ。両親が学校の先生という事で、幼少の頃は奄美各地を点々とする。大学進学と同時に、初めて奄美大島の外へ出る。大学時代の終わり、カメラ屋でのバイトを機に一眼レフEOS5を手に入れ、2人3脚の生活が始まる。その後iMacとの出会いからPCコンプレックスを克服。00年3月、奄美を紹介するサイトがない、ないなら作ってしまおうと、「奄美大島探検マップ」を立ち上げる。01年「奄美大島ホームページ大賞」大賞次点、市民部門賞受賞。「奄美大島探検マップ」は、奄美の名所の数々を自身の撮影した美しい写真により紹介。また、写真日記やblogも充実。
彼の撮影した写真を元にした、カレンダーやポストカードなどもネットショップにて通信販売が可能。
【dokidoki公式HP】http://amamicco.net/
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