1.図案大島紬の製造は図案設計から始まる。原図を元に絣に置き換え設計し、糸の密度と配列にあわせて方眼紙の上に描く。従来は手作業だったが、現在はコンピューターで設計作図している。 2.のり張り締機(しめばた)で絣を織込むためには、必要な本数をそろえ糊で固めておかなければならない。絣糸は反数によって糸の本数をそろえイギス・フノリなどをつけ、日光で十分乾燥させる。その後室内で10日間ほど自然乾燥させ、糸の縮みを一定に落ち着かせる。 3.締め大島紬の特徴は精巧な絣の美にあるが、その秘密は締機(しめばた)にある。他の産地が糸くくりや板締を用いているのに対し、奄美ではこの締機を用いている。縦糸の綿糸で図案に合わせながら絹糸を強く締めないときれいな絣はできないので、締機は力の強い男の仕事である。 締められたものを「筵(むしろ)」という。 4.テーチ木染大島紬の生命とも言うべき泥染めにはその前提としてテーチ木染めが必要である。まずテーチ木の幹と根を小さく割り、大きな釜で約14時間煮出した染液と石灰溶液で20回ほど繰り返し揉み込むと、テーチ木のタンニン酸によって糸はしだいに赤褐色に変わっていく。5.泥染めテーチ木染めで染まった糸やむしろを泥田で揉み込む。この、テーチ木染め20回と泥染め1回を一工程として、これを3〜4回繰返すことにより、テーチ木のタンニン酸と泥の鉄分とが化学結合し、合成染料では決して出ない独特の渋い黒色に染め上がる。 6.加工締や染色を除く、機織りのための準備工程を「加工」という。細分化すると28もの作業工程がある。主なものは整経・糸繰り・部分脱色・摺込み染色・絣むしろほどき・綾ひろいなどである。 7.はた織り高機によって一糸一糸心をこめて手織りする。およそ7センチほど織る毎に経糸をゆるめ、一本一本たんねんに針で絣を合わせる。1反あたり200回近く絣合わせを繰り返すという、非常に根気のいる仕事である。 8.検査織りあげられた大島紬はすべて本場奄美大島紬協同組合の検査場に持込まれる。ここではこの道数十年のベテラン検査員が、長さ・織幅・絣不揃い・色ムラ・織キズ・量目不足など18項目に及ぶ厳重なチェックを行い、合格不合格を決定し、合格したものだけが品質表示マークや商標がつけられる。